HYDROGEN SUPPLY CHAIN水素サプライチェーン

豪州と日本におけるパイロット水素サプライチェーン実証事業

豪州ラトロブバレーでの褐炭ガス化・水素精製、ヘイスティングス港での水素液化・液化水素貯蔵、豪州から日本への液化水素海上輸送、日本での液化水素荷役を2020年~2021年に実証します。

HySTRAはパイロット水素サプライチェーン実証事業においてNEDO助成*を受けて、
  • 褐炭ガス化技術
  • 液化水素の長距離大量輸送技術
  • 液化水素荷役技術

に取り組んでいます。

* 新エネルギー・産業技術総合開発機構未利用褐炭由来水素大規模海上輸送サプライチェーン構築実証事業
水素サプライチェーン

褐炭

大地に眠る豊富な未利用資源

それは、低品位な石炭。実は世界の石炭埋蔵量の約半分をこの褐炭が占める。しかし、水分や不純物を非常に多く含むため、重くかさばる割りに発熱量が低い。さらに空気にふれると自然発火する恐れがあるため、輸送や保管に適さず、現地での利用に限られている。この未利用資源から安価で大量の水素を製造できないか。私たちの挑戦はまさにここから始まる。

埋蔵量
ラトロブバレー、ロイヤン発電所炭田。その広さは、発電設備含め約6,000haに及ぶ。褐炭の埋蔵量は、オーストラリアだけでも日本のエネルギー需要数百年分に相当するといわれている。

ガス化設備

水分量も多く、品質が安定しない褐炭。ガス化するには、様々な技術を駆使した挑戦が必要だ。将来の大量製造にも見据えた取り組みが行われる。

ガス精製設備

ガスから水素を取り出す工程では、CO₂を分離・回収することが可能だ。化石燃料をエネルギーとしながらも、温室効果ガスを削減することができる。

The AGL
Loy Yang Complex
in the Latrobe Valley

褐炭はラトロブバレーにてガス化され、水素を含むガスに形を変える。その後、水素の精製を経てトレーラーに載せられ、ヘイスティングス港に向け、約150kmの旅に出る。

液化・積荷 設備

-253℃、800分の1

水素は、-253℃の極低温にすることで、気体から液体に変わり、体積が800分の1に減少。体積を減らすことは、運搬の効率を飛躍的に向上させ、より多くの水素流通を可能にする。

The Port of Hastings

水素はこの場所で液化され、液化水素運搬船へと積み込まれる。いよいよ日本へ向けた、長き船旅の始まりである。

液化水素運搬船

地球を縦断、-253℃を保持する技術

LNG運搬船建造技術、および陸上における液化水素輸送•貯蔵技術をもとに、液化水素専用の極低温蓄圧式の貨物格納設備として新たに開発。大量の水素を効率よく安全に輸送する技術の確立を目指す。

Keep it -253℃

貯蔵・揚荷 設備

日本の液化水素受入基地

液化水素運搬船が約9,000kmにも及ぶ旅路を終え到着。ローディングアームシステムが船から水素を抜き取り、-253℃を保ちながら陸上の液化水素貯蔵タンクに充填していく。まさに日本における新エネルギー基地の先駆けとなる。

The Port of Kobe

実証事業の場所は神戸市の沖合に浮かぶ「神戸空港島」の北東部で、1万m²の用地に液化水素の貯蔵・揚荷設備を建設する。